フランス語の発音一覧表【一部音声付き!フランス語発音の全て!一覧表でマスターしよう】

フランス語の発音 発音

フランス語は、美しい言葉として世界中で知られていますが、その発音は多くの学習者にとって難しいものです。特に、アクセント記号、ナスャル音、リエゾンなど、フランス語独自の発音ルールが多く、初心者には複雑に感じるかもしれません。しかし、これらの発音ルールをしっかりと理解し、練習することで、自然なフランス語の発音が身につきます。本記事では、フランス語の発音についての一覧表を提供し、各発音のポイントをわかりやすく説明します。

  1. アウトライン
  2. フランス語の母音の発音一覧表
    1. フランス語の母音の数
    2. フランス語の母音図
    3. フランス語の母音字省略(エリジョン)とは
  3. フランス語の子音の発音一覧表
    1. フランス語の一部の子音を発音しない理由
      1. フランス語の一部の子音を発音しない理由1.語尾が子音である
      2. フランス語の一部の子音を発音しない理由2.リエゾンする
      3. フランス語の一部の子音を発音しない理由3.エリジョン(母音字省略)する
    2. フランス語の子音の数
    3. フランス語の子音字とは
  4. フランス語の発音変化の一覧表
    1. フランス語の発音変化のリエゾンとは
      1. リエゾンする場合(Obligatoire)
      2. リエゾンするしない場合などの任意の場合(Facultative)
      3. リエゾンしてはいけない場合(Interdite)
      4. リエゾンの記号は書く?
    2. フランス語の発音変化のエリジョン(エリジオン)とは
    3. フランス語の発音変化のアサミリャシオンとは
    4. フランス語の発音変化のアンシェヌマンとは
    5. フランス語の発音変化のエナンシエーションとは
    6. フランス語の発音変化のリエゾンとアンシェヌマンとエリジオンの違い
  5. フランス語のアクセント記号の一覧表
    1. フランス語のアクセント記号のアキュートアクセントとは
    2. フランス語のアクセント記号のグレイヴアクセントとは
    3. フランス語のアクセント記号のサーカムフレックスとは
    4. フランス語のアクセント記号のトレマとは
    5. フランス語のアクセント記号のセディーユとは
  6. まとめ

アウトライン

フランス語の発音は、特定の母音、子音、アクセント、そして音の変化によって構成されます。これらの音は、日本語の音とは異なるため、初学者にとっては学びがいがあります。以下のテーブルでは、フランス語の発音をいくつかのカテゴリーに分類し、それぞれの説明、例、そして例文を提供しています。各例の末尾には日本語訳が、例文の末尾にはその発音を含む言葉が太字になっており、その後に日本語訳が続いています。

発音の分類説明例文
母音[i]: 舌を上あごに近づけ、声帯を震わせずに発音する。si (もし)Je signe. (私は署名します。)
子音[p]: 唇を閉じて、その後すぐに開いて発音する。pomme (りんご)Je mange une pomme. (私はりんごを食べます。)
発音変化[ʃ]: 舌を上あごに近づけ、唇を開けて発音する。chien (犬)Le chien est gentil. (犬は優しい。)
アクセント記号é: [e] の音にアクセントをつけて発音する。été (夏)C’est l’ été. (それは夏です。)

フランス語の母音の発音一覧表

フランス語の母音一覧

フランス語の母音発音は日本語とは異なるため、特に日本語を母国語とする人にとっては、いくつかの発音が難しい場合があります。以下の表では、フランス語の母音、それに対応する発音記号、そしてその日本語(カタカナ)による読み方を示します。フランス語の発音には多くの異なる母音音が存在し、それぞれ異なる発音記号があります。

母音の文字発音記号簡単な読み方
a[a]chat (猫)
e[ə]le (the) – [音声]
é[e]été (夏) – [音声]
è, ê[ɛ]mère (母) – [音声], fête (祭り)
ë[ɛ]Noël (クリスマス) – [音声]
i, î, ï[i]si (もし), île (島), naïf (天真爛漫)
o, ô[o]eau (水), hôtel (ホテル)
u, û, ü[u]fou (愚か), sûr (確か), sûr (確か)
ou[u]nouveau (新しい)
oi[wa]moi (私) – [音声]
eu, œu[ø]peur (恐れ) – [音声], cœur (心)
フランス語の母音表

この表は、フランス語の母音の基本的な発音の一部です。フランス語はリエゾンやエリジョンといった発音の特徴があるため、文脈によってはこれらの発音が変わることもあります。

フランス語の母音の数

フランス語の母音には、単母音、アクセント付きの母音、および二重母音が含まれます。

  1. 単母音: a, e, i, o, u これらは基本的な5つの母音文字です。
  2. アクセント付きの母音: é (e with acute accent), è (e with grave accent), ê (e with circumflex), ë (e with diaeresis), à (a with grave accent), ù (u with grave accent), û (u with circumflex), ö (o with diaeresis), ü (u with diaeresis), î (i with circumflex), ô (o with circumflex)。
  3. 二重母音: フランス語の二重母音は、2つの母音の組み合わせからなります。ただし、フランス語の標準的な発音では、多くの二重母音は単母音として発音されます。例えば、”ai” は[e]として発音されることが一般的です。

したがって、アクセント付きの母音は11種類、そして二重母音は書き言葉では数多くありますが、発音上はそれらの多くが単母音に変わるため、正確な数は一定ではありません。

最終的な数は、フランス語の方言や地域によって異なることがあるため、一概には言えません。また、日常の会話で実際に使用される二重母音の数は、書き言葉で使用されるものよりも少なくなります。

フランス語の母音図

フランス語の母音図は、フランス語の音声を視覚化するための一種の表または図です。特に、フランス語の音声学において、母音の位置と品質を示すのに用いられます。

フランス語の母音図
出典:ウィキメディア・コモンズ

母音図は通常、横軸に口の開き具合(閉鎖度)、縦軸に舌の位置(舌の位置)を示す座標軸で描かれます。横軸は、口の開き具合に応じて、閉鎖、半閉鎖、半開鎖、開鎖の4つの区分に分けられます。縦軸は、舌の位置に応じて、前舌、中舌、後舌の3つの区分に分けられます。

たとえば、標準的なフランス語の母音図は以下のようになります。

  • 前舌母音
    • [i] : 閉鎖前舌不円唇母音
    • [e] : 半閉鎖前舌不円唇母音
    • [ɛ] : 半開鎖前舌不円唇母音
    • [a] : 開鎖前舌不円唇母音
  • 中舌母音
    • [ø] : 半閉鎖中舌円唇母音
    • [œ] : 半開鎖中舌円唇母音
    • [ə] : 半閉鎖中舌不円唇母音(シュワ)
  • 後舌母音
    • [u] : 閉鎖後舌円唇母音
    • [o] : 半閉鎖後舌円唇母音
    • [ɔ] : 半開鎖後舌円唇母音
  • ナスャル母音
    • [ɑ̃] : 開鎖後舌不円唇母音
    • [ɛ̃] : 半開鎖前舌不円唇母音
    • [œ̃] : 半開鎖中舌円唇母音
    • [ɔ̃] : 半開鎖後舌円唇母音

これらの母音は、口の開き具合と舌の位置によって異なる発音がされます。この図は、フランス語学習者にとって発音の手助けとなります。

フランス語の母音字省略(エリジョン)とは

ある単語の最後の母音が、次の単語が母音で始まる場合に、その母音が省略される現象のことを母音字省略(エリジョン)といいます。母音衝突を避けるための発音変化です。

詳しくは下記の「フランス語の発音変化の一覧表」で説明しています。

フランス語の子音の発音一覧表

フランス語の子音一覧

フランス語の子音の発音は、日本語の子音といくつかの点で異なります。以下の表では、フランス語の子音、それに対応する発音記号、そしてその日本語(カタカナ)による簡単な読み方を示します。子音の発音は、特に発音の位置や口の形に注意が必要です。

文字発音記号簡単な読み方(カタカナ)
b[b]beau (美しい)
c[k], [s]ク、スcafé (カフェ), centre (センター)
d[d]de (の)
f[f]femme (女性)
g[g], [ʒ]グ、ジgarçon (少年), gilet (ジレ)
h[](発音しない)heure (時間)
j[ʒ]je (私は)
k[k]kilo (キログラム)
l[l]lait (ミルク)
m[m]merci (ありがとう)
n[n]non (いいえ)
p[p]pain (パン)
q[k]quatre (四)
r[ʁ](喉の奥で発音)rouge (赤)
s[s], [z]ス、ズsoleil (太陽), maison (家)
t[t]table (テーブル)
v[v]voiture (車)
w[w]wagon (ワゴン)
x[ks], [gz]クス、グズexemple (例), examen (試験)
y[j]yaourt (ヨーグルト)
z[z]zéro (ゼロ)
フランス語の子音表

この表はフランス語の子音の基本的な発音の一部です。発音の状況によっては、この表に載っている発音が変わることもあります。また、リエゾンやエリジョンといった特徴的な発音現象も考慮する必要があります。

フランス語の一部の子音を発音しない理由

フランス語では、一部の子音が発音されないことがあります。これは、フランス語の歴史的な進化、特に口語での省略、および言葉の音の流れをスムーズにするための自然な傾向に起因しています。

以下は、フランス語で一部の子音が発音されないいくつかの一般的な理由です。

フランス語の一部の子音を発音しない理由1.語尾が子音である

フランス語では、多くの場合、単語の最後の文字が子音である場合、その子音は発音されません。これは、フランス語の発音の特性の一つで、音韻論的な理由からくるものです。言語にはそれぞれの音韻体系があり、それに従って音が変化することがあります。フランス語の音韻体系では、一般的に単語の最後の子音は発音しないという規則があります。例えば、’paris’は[paʁi]と発音されます。

ただし、このルールにはいくつかの例外があります。特に、単語の最後の文字が ‘c’, ‘r’, ‘f’, または ‘l’ の場合、通常は発音されます。これを ‘CaReFuL’ ルールと呼びます。このルールは、それぞれの文字が特定の単語の末尾で発音されることを覚えるのに役立ちます。

なぜこのような例外が存在するのかについては、歴史的な変遷や言語の進化、地域的な変動など、さまざまな要因が影響しています。フランス語は多くの地域で話されており、それぞれの地域でアクセントや発音が異なる場合があります。これが、一部の子音が発音される場合とされない場合がある理由の一つです。

また、フランス語の音韻体系において、一般的に子音が発音されないのは、フランス語が流れるような、滑らかな音を好む傾向にあるためです。ただし、’CaReFuL’ルールに従って、一部の子音は発音されます。これは、言葉を区別し、意味を明確にするために必要な場合があるからです。例えば、’c’ が発音されることで ‘blanc’(白)と ‘blan’(存在しない言葉)を区別することができます。

以上のように、フランス語では多くの場合、単語の最後の文字が子音である場合、その子音は発音されませんが、’CaReFuL’ ルールに従い、’c’, ‘r’, ‘f’, ‘l’ の文字で終わる単語は通常発音されます。これは、フランス語の音韻体系、言語の進化、地域的な変動、そして意味の明確化のための必要性、などさまざまな要因によって決定されています。

フランス語の一部の子音を発音しない理由2.リエゾンする

リエゾンはフランス語の特性の一つで、単語の最後の子音がその次の単語の母音で始まる場合に、その子音が発音される現象です。これはフランス語の音韻体系の一部であり、話されるフランス語が滑らかで連続的に聞こえる一因となっています。例えば、「les amis」は通常[lez‿ami]と発音されます。

ただし、すべての単語が連結の対象になるわけではありません。リエゾンは特定の文法的な状況や慣習的な発音パターンに従います。例えば、名詞とそれに続く形容詞の間では通常リエゾンが起こりますが、逆の場合、つまり形容詞とそれに続く名詞の間では通常リエゾンが起こりません。また、いくつかの単語やフレーズでは、リエゾンは非常に珍しいか、または全く存在しないこともあります。

このため、リエゾンはフランス語を話す際に注意を要する部分です。リエゾンを正しく行うことで、フランス語のネイティブスピーカーのように自然な発音が可能になります。逆に、不適切なリエゾンを行うと、自然でない、または意図しない意味になってしまう可能性があります。

フランス語では、単語の最後の子音を発音しないことが一般的ですが、リエゾンの現象により、特定の文法的な状況や慣習的な発音パターンにおいて、単語の最後の子音が次の単語の母音で始まる場合にその子音が発音されます。ただし、すべての単語が連結の対象になるわけではなく、特定の状況やパターンに従います。

フランス語の一部の子音を発音しない理由3.エリジョン(母音字省略)する

エリジョン(母音字省略)は、ある単語の最後の母音が別の単語の母音で始まる場合に、最初の母音が省略される現象です。例えば、「le ami」は通常「l’ami」[l‿ami]と書かれ、発音されます。

この現象は、フランス語の音の流れをスムーズにするために重要です。フランス語では、一般的に言葉の流れが途切れることなく、滑らかに進むことが好まれます。そのため、単語の末尾の母音と次の単語の始まりの母音が連続する場合、最初の母音が省略されるのです。

また、この現象は単語の連結を助け、フランス語のリズムを形作る要因でもあります。フランス語は、発音のリズムが非常に重要な言語であり、エリジョンはその一部を成す要素です。

しかし、これらのルールと現象は、初学者にとっては混乱する場合があります。フランス語には多くの規則があり、それぞれの規則には例外が存在することも少なくありません。そのため、フランス語を学ぶ際には、これらの特性に注意を払うことが重要です。

エリジョンの規則は、フランス語の音韻体系の一部であり、発音をスムーズにし、単語を連結し、言語のリズムを作る要因です。ただし、この規則は初学者にとっては混乱する場合があり、フランス語を学ぶ際には、このような特性に注意を払うことが重要です。

フランス語の子音の数

フランス語には、一般的に次の20の子音があります。

  1. b – [b]
  2. c – [k], [s]
  3. d – [d]
  4. f – [f]
  5. g – [g], [ʒ]
  6. j – [ʒ]
  7. k – [k]
  8. l – [l]
  9. m – [m]
  10. n – [n]
  11. p – [p]
  12. q – [k]
  13. r – [ʁ]
  14. s – [s], [z]
  15. t – [t]
  16. v – [v]
  17. w – [w], [v]
  18. x – [ks], [gz]
  19. y – [j]
  20. z – [z]

フランス語の子音字とは

フランス語の子音字とは、文字(または文字の組み合わせ)が子音の音を表す際に使われることを意味します。フランス語では、以下の子音字が一般的に使われます。

  1. b – 例: “bon” (良い)
  2. c – 例: “café” (コーヒー)
  3. d – 例: “deux” (二)
  4. f – 例: “fleur” (花)
  5. g – 例: “gare” (駅)
  6. j – 例: “jour” (日)
  7. k – 例: “kilo” (キログラム)
  8. l – 例: “lait” (ミルク)
  9. m – 例: “mer” (海)
  10. n – 例: “non” (いいえ)
  11. p – 例: “porte” (ドア)
  12. q – 例: “quatre” (四)
  13. r – 例: “rouge” (赤)
  14. s – 例: “soleil” (太陽)
  15. t – 例: “table” (テーブル)
  16. v – 例: “vin” (ワイン)
  17. w – 例: “wagon” (ワゴン)
  18. x – 例: “examen” (試験)
  19. y – 例: “yoga” (ヨガ)
  20. z – 例: “zéro” (ゼロ)

フランス語の発音変化の一覧表

フランス語の発音変化

フランス語の発音変化は、単語の発音がその前後の単語や文脈によって変わる現象です。これにはいくつかのタイプがあります。以下の表では、主なフランス語の発音変化の分類、その説明、例、および例文を示しています。

発音変化の分類説明例文
リエゾン単語の最後の子音が、次の単語が母音で始まる場合に、その母音の前で発音される現象。les amis (レザミ)Je suis allé chez les amis. (ジェスィアレシェレザミ。) – 私は友達の家に行きました。
エリジョン(エリジオン)ある単語の最後の母音が、次の単語が母音で始まる場合に、その母音が省略される現象。la amie → l’amie (ラミ)C’est l’amie de Paul. (セラミドポール。) – それはポールの友達です。
アサミリャシオン隣接する2つの音が、発音しやすくするために互いに影響を与える現象。un grand homme (アングランオム)Il est un grand homme. (イレアングランオム。) – 彼は偉大な男性です。
アンシェヌマン単語の最後の音と次の単語の最初の音が連結される現象。Je suis ami (ジュスィザミ)C’est Je suis ami de Paul. (セジュスィザミドポール。) – 私はポールの友達です。
エナンシエーション単語の中の音が、発音のしやすさや流れを良くするために変化する現象。petite (プティット)Elle est petite. (エルエプティット。) – 彼女は小柄です。

フランス語の発音変化は、日常的な会話において非常に一般的で、フランス語を流暢に話すために理解し、練習する必要があります。

フランス語の発音変化のリエゾンとは

リエゾンはフランス語の特徴的な発音現象で、通常は発音されない単語の末尾の子音が、次の単語が母音で始まる場合に発音されることです。例えば、”les amis”(友達)は通常 [le z‿ami] と発音されます。ここで ‘s’ は通常は発音されませんが、次の単語 ‘amis’ が母音で始まるため、リエゾンで [z] として発音されます。

リエゾンはフランス語の流暢さと音韻の連結を促進するために使われます。それは通常、以下の3つの条件に分類されます。

リエゾンする場合(Obligatoire)

これは特定の文法的な状況で必須です。通常、冠詞、代名詞、冠詞を伴う名詞、接続詞、前置詞、助動詞などの前の単語の末尾の子音が次の単語の初めの母音とリエゾンされます。例 “les amis” [le z‿ami].

リエゾンするしない場合などの任意の場合(Facultative)

これは、話し手の選択によります。通常、名詞、形容詞、副詞などの前の単語の末尾の子音が、次の単語の初めの母音とリエゾンされますが、必須ではありません。例: “fort intéressant” [fɔʁ t‿ɛ̃teʁesɑ̃] もしくは [fɔʁ ɛ̃teʁesɑ̃].

リエゾンしてはいけない場合(Interdite)

これは特定の文法的な状況で禁止されます。通常、副詞、名詞、固有名詞などの前の単語の末尾の子音は、次の単語の初めの母音とリエゾンされません。以下はその例です。

  1. 数詞の後ろ: “dix œufs” [di zø]ではなく、[di œf]
  2. 前置詞の後ろ: “chez elle” [ʃe zɛl]ではなく、[ʃe ɛl]
  3. 一部の副詞の後ろ: “très intéressant” [tʁɛ zɛ̃teʁesɑ̃]ではなく、[tʁɛ ɛ̃teʁesɑ̃]
  4. 感嘆詞の後ろ: “quand elle” [kɑ̃ dɛl]ではなく、[kɑ̃ ɛl]
  5. 接続詞の後ろ: “et elle” [e tɛl]ではなく、[e ɛl]

例: “très orange” [tʁɛ ɔʁɑ̃ʒ], not [tʁɛ z‿ɔʁɑ̃ʒ]。ただし、フランス語の発音には地域差や話者の個人差がありますので、一部の話者はこの場合でもリエゾンを行うかもしれません。

リエゾンの記号は書く?

リエゾンは口頭でのみ発生し、通常、書かれたフランス語では特別な記号を使用しないで表現されます。ただし、辞書や発音ガイドでは、リエゾンが発音される場合、単語間に ‘‿’ 記号が置かれることがあります(例: [le z‿ami])。

フランス語の発音変化のエリジョン(エリジオン)とは

エリジオン(Elision)はフランス語の音韻現象で、ある音(通常は母音または無声の h)が他の音に取って代わられ、消失することを指します。フランス語で最も一般的なエリジオンの形は、母音または無声のhで終わる単語が、母音で始まる単語の前にある場合です。この現象は、通常、以下の単語に影響を与えます:le, la, je, tu, de, ce, me, te, se, ne, si, ma, ta, sa, que.

例えば、「le」(the, masculine)は通常「l’」に変わります、もし次の単語が母音で始まる場合。つまり、「le ami」は「l’ami」(the friend)になります。

エリジオンはフランス語の音の連続性と流暢さを保つために重要です。フランス語は、特定の音の組み合わせを避ける傾向があります、特に、連続した母音の発音が困難または不自然に感じられる場合。エリジオンを使用することで、言葉がスムーズに流れ、発音が容易になります。

また、エリジオンはフランス語の文法規則の一部であり、通常、書き言葉と話し言葉の両方で観察されます。例えば、「le ami」は正しいフランス語とは考えられず、「l’ami」が正しい形です。

フランス語の発音変化のアサミリャシオンとは

アサミリャシオン(Assimilation)は、フランス語だけでなく、多くの言語に見られる音韻学的な現象です。これは、ある音が、その隣接する音に影響され、その音に似た、または同じ特性を取り入れることを指します。アサミリャシオンは、単語の内部、または単語間で発生することがあります。

フランス語では、アサミリャシオンは通常、子音間で起こります。例えば、接頭辞「in-」は、通常次に来る単語によって変化します。例えば、「in」 + 「possible」 = 「impossible」。ここで、「n」は「m」に変わります、なぜなら「p」は唇音であるため、同じ場所で発音される「m」に変わります。

アサミリャシオンは、主に以下の2つの理由から使用されます。

  1. 発音の容易さ: 連続した音が、口腔の異なる部分で発音される場合、話者はそれらの音を発音するのに努力を要します。アサミリャシオンにより、連続する音が口腔の同じ場所で発音されるため、発音が容易になります。
  2. 言葉の流れ: アサミリャシオンは、話者が言葉をスムーズに、流暢に話すのを助けます。

アサミリャシオンは、フランス語を話す際の自然なプロセスの一部であり、通常は無意識に行われます。そのため、フランス語の学習者は、フランス語を自然に話すため、この現象に慣れることが重要です。

フランス語の発音変化のアンシェヌマンとは

フランス語の「アンシェヌマン」(enchaînement)は、単語の最後の音と次の単語の最初の音が連結される現象を指します。フランス語では、単語と単語の間に一時的な停止を入れることは少なく、通常、単語の最後の音が次の単語の最初の音に連結されます。これは、フランス語の流れをスムーズにし、自然に聞こえるためです。

例えば、

  • “Il a” 通常は [il a] ではなく、[i‿la] と発音されます。
  • “Je suis” 通常は [ʒə sui] ではなく、[ʒə‿sɥi] と発音されます。
  • “Tu as” 通常は [ty a] ではなく、[ty‿za] と発音されます。
  • “C’est un” 通常は [sɛ ɛ̃] ではなく、[sɛ‿t‿ɛ̃] と発音されます。
  • “Mes amis” 通常は [mɛz‿ami] と発音されます。
  • “Tout est” 通常は [tut‿ɛ] と発音されます。

アンシェヌマンは以下の理由で使われます。

  1. 流暢さ: フランス語は「流れる言葉」として知られています。アンシェヌマンにより、言葉が自然につながり、スムーズな話し方になります。
  2. 自然さ: フランス語の母国話者は自然にアンシェヌマンを使います。したがって、フランス語を学ぶ際、アンシェヌマンを理解し、使用することで、より自然なフランス語の話し方を身につけることができます。
  3. 聞き取りやすさ: アンシェヌマンを使うことで、フランス語が聞き取りやすくなります。これは、フランス語のリズムやメロディーに影響を与え、聞き手にとって聞きやすくなります。

アンシェヌマンは、リエゾン(liaison)と似ていますが、違いがあります。リエゾンは、通常発音されない子音が、次の単語が母音で始まる場合に発音される現象です。例えば、「vous avez」(あなたは持っています)は、「vou zave」(ヴォザーヴ)と発音されます。

一方、アンシェヌマンは、単語の最後の音が、次の単語の最初の音と連結される現象です。これは、単語の最後の音が通常発音される場合にも、されない場合にも適用されます。

また、リエゾンとアンシェヌマンの両方の要素が含まれる場合があります。

“Je suis allé” の場合、”suis” の最後の ‘s’ は通常発音されず、”allé” の最初の ‘a’ は ‘a’ の音で始まるので、アンシェヌマン(enchaînement)の一例と言えます。しかし、一部の話者は ‘s’ を発音するかもしれません、その場合はリエゾンになります。「ジュスィザレ」と発音する場合、これはリエゾンの一例です。

“Il est ami” の場合、”est” の最後の ‘t’ は通常、次の単語 “ami” が母音で始まるので、リエゾンされ、’t’ の音が発音されます。したがって、「イレタミ」と発音する場合、これはリエゾンの一例です。

フランス語では、アンシェヌマンとリエゾンはしばしば一緒になり、話す際のフランス語の音の流れに自然さをもたらします。

フランス語を学ぶ際、アンシェヌマン、リエゾン、エリジオン(élision)、アサミリャシオン(assimilation)など、発音変化に注意を払うことが重要です。これにより、フランス語の発音がより自然で、流暢になります。

フランス語の発音変化のエナンシエーションとは

フランス語のエナンシエーション(Énonciation)は、発音の文脈ではなく、言語学的な文脈で使用される概念です。エナンシエーションは、言葉が話される状況、つまり話者と聞き手の関係性、話者の意図、感情、話の文脈などを考慮することを指します。

たとえば、フランス語では代名詞が重要な役割を果たします。「je」(私)、「tu」(あなた)、「il/elle/on」(彼/彼女/人々)などは、話者と聞き手の関係性によって使い分けられます。また、「tu」は親しみを込めて使う場合もあれば、失礼と受け取られる場合もあります。

エナンシエーションの考慮は、以下の理由から重要です。

  1. 相手への敬意: 例えば、「vous」(あなた、貴方様)は、公式な状況や、あまり親しくない相手に対して使われます。これは、相手に敬意を示すためです。
  2. 意図の明確化: 言葉の選び方や話し方が、話者の意図や感情を伝える手助けになります。たとえば、疑問文のintonation(イントネーション)は、文が疑問であることを示します。
  3. コミュニケーションの効率: エナンシエーションを考慮することで、コミュニケーションがスムーズになり、誤解を避けることができます。

エナンシエーションは、フランス語だけでなく、他の多くの言語でも重要です。これは、言葉がただの音や文字ではなく、コミュニケーションツールであるためです。そのため、フランス語を学ぶ際は、文法や発音だけでなく、エナンシエーションについても考慮することが重要です。

フランス語の発音変化のリエゾンとアンシェヌマンとエリジオンの違い

フランス語の発音変化には、リエゾン、アンシェヌマン、エリジオンの3つの主要なものがあります。それぞれの特徴と違いについて簡単に説明します。

  1. リエゾン (Liaison): リエゾンは、フランス語の単語間の連結を指します。一つの単語が母音で始まり、直前の単語が子音で終わる場合、その子音が次の単語の母音に連結されます。例えば、”les amis”(友達)は、リエゾンにより “le zami” と発音されます。
  2. アンシェヌマン (Enchaînement): アンシェヌマンも単語間の連結ですが、リエゾンとは異なり、連結する単語の前の単語が母音で終わり、次の単語が母音で始まる場合に起こります。この場合、2つの単語が一つの単語のように発音されます。例えば、 “je aime”(私は好きです)は、アンシェヌマンにより “j’aime” と発音されます。
  3. エリジオン (Élision): エリジオンは、一つの単語が母音で始まり、その直前の単語が “e” で終わる場合、その “e” が省略され、2つの単語が連結される現象です。例えば、”je” + “aime” は、エリジオンにより “j’aime” と発音されます。

これら3つの現象は、フランス語の流暢な発音を助け、言葉が自然に聞こえるようにします。

フランス語のアクセント記号の一覧表

フランス語のアクセント記号

フランス語のアクセント記号は、単語の発音や意味を変えるために使用されます。以下の表は、フランス語のアクセント記号の分類、それぞれの説明、例、および例文を示しています。

アクセント記号の分類説明例文
アキュートアクセント (accent aigu)‘e’ の音を変えます。’/e/’ の音に変えます。été (エテ)C’est l’ été. (セレ) – それは夏です。
グレイヴアクセント (accent grave)‘a’, ‘e’, ‘u’ の音を変えます。frère (フレール)C’est mon frère. (セモンフレール。) – それは私の兄弟です。
サーカムフレックス (accent circonflexe)‘i’ と ‘u’ の音を変えます。forêt (フォレ)Je vais à la forêt. (ジュヴェアラフォレ。) – 私は森に行きます。
トレマ (tréma)二つの母音が別々に発音されることを示します。トレマは、特定の文字(通常は ‘e’, ‘i’, ‘u’)に付けられます。naïve (ナイーヴ)Elle est naïve. (エルエナイーヴ。) – 彼女は素朴です。
セディーユ (cédille)‘c’ の前の ‘a’, ‘o’, ‘u’ が ‘s’ の音になることを示します。garçon (ガルソン)Il est un garçon. (イレアンガルソン。) – 彼は男の子です。

フランス語のアクセント記号は、文字の発音を示すだけでなく、単語の意味を変える場合もあります。そのため、正しいアクセント記号を使用することは、フランス語の正しい発音と理解に不可欠です。

フランス語のアクセント記号のアキュートアクセントとは

アキュートアクセントは、「é」というように、e の上に右斜め上向きの線がつきます。このアクセントはeの発音を変えます。通常、eは /ə/ と発音されますが、アキュートアクセントがついた場合、/e/ と発音されます。例: “école”(学校)は、/ekol/ と発音されます。

フランス語のアクセント記号のグレイヴアクセントとは

グレイヴアクセントは、「è」というように、e の上に右斜め下向きの線がつきます。このアクセントは、e の発音を /ɛ/ に変えます。a と u につける場合もありますが、その場合は発音に影響を与えません。例: “mère”(母)は、/mɛʁ/ と発音されます。

フランス語のアクセント記号のサーカムフレックスとは

サーカムフレックスは、「ê」というように、e の上に小さなチルダ(^)がつきます。このアクセントは、a, e, i, o, u のいずれかの上につけられ、古いフランス語で省略された文字(多くの場合、s)を示します。通常、発音に影響を与えませんが、一部の単語では区別が必要です。例: “forêt”(森)は、/fɔʁɛ/ と発音されます。

フランス語のアクセント記号のトレマとは

トレマは、「ë」というように、e の上に二つの点がつきます。このアクセントは、その文字とその前の文字を別々に発音することを示します。例: “Noël”(クリスマス)は、/noɛl/ と発音されます。

フランス語のアクセント記号のセディーユとは

セディーユは、「ç」というように、c の下に小さなc字形のマークがつきます。このアクセントは、その文字の前に a, o, u が来る場合、c の発音を /s/ に変えます。例: “garçon”(少年)は、/ɡaʁsɔ̃/ と発音されます。

まとめ

この記事では、フランス語の発音についての一覧表を通じて、多くの重要な発音のポイントをカバーしました。フランス語の発音は、最初は難しいかもしれませんが、一覧表を使って練習し、聞き取りと発声を繰り返すことで、徐々に改善されるでしょう。そして、フランス語のコミュニケーションに自信を持つことができるようになります。これからも、一覧表を参照しながら、日常的にフランス語の発音の練習を続けてください。

この他にも、「フランス語の基礎」などでフランス語の学習ができますのでよろしければご覧ください。

参考文献:ラルース_辞書_発音

コメント

  1. Y.S より:

    こんにちは。
    いくつか(重要な)間違いを見つけたのでお伝えします。

    アンシェヌマンの説明の中での例文、

    “Je suis allé”(私は行きました)は、「ジュスィザレ」と発音されます。
    “Il est ami”(彼は友達です)は、「イレタミ」と発音されます。

    これはリエゾンではないですか?
    アンシェヌマンは例えば、
    il a が「イル ア」ではなく「イラ」と発音されるような現象です。

    アクセントの説明の例文、
    C’est l’ été. (セレエテ。)
    は「セレテ」
    ですね。

    前後しますが、
    フランス語の一部の子音を発音しない理由、
    という部分がありますが、ここではフランス語でどのように子音を発音するか、あるいはしないかを説明されていて「子音を発音しない理由」は語られていないのではないでしょうか。日本語として違和感を覚えました。

    悪意は全くありません。どうか気分を害さぬよう。

  2. Y.S より:

    続けて申し訳ありません。一つ忘れました。
    リエゾンしてはいけない例として、très orange を挙げておられますが、très はリエゾンしても良い単語です。très occupé, très inquiet, faire très attention など全てリエゾンします。個人の感覚ではリエゾンして発音されることの方が多いかな、とさえ思います。

    • francobiel より:

      お問い合わせ頂きありがとうございます。ご指摘いただいた箇所について、確認いたしますので、少々お待ちくださいませ。

    • francobiel より:

      ご指摘いただいた箇所について、確認いたしました。ご丁寧なご指摘、誠にありがとうございます。

      “Je suis allé” と “Il est ami” の発音に関して、おっしゃる通り、アンシェヌマンとリエゾンの両方の要素が考慮されるべきです。フランス語では、アンシェヌマンとリエゾンはしばしば一緒になります。私の説明は不適切でした。

      “Je suis allé” の場合、通常 “suis” の最後の ‘s’ は発音されず、”allé” の最初の ‘a’ は ‘a’ の音で始まるため、アンシェヌマンの一例と言えます。ただし、一部の話者は ‘s’ を発音する場合もあり、その際はリエゾンの一例となります。「ジュスィザレ」と発音する場合、これはリエゾンの一例です。これについて、混乱を招く説明をし、申し訳ございません。

      また、”C’est l’été” の発音について、カタカナ表記を「セレエテ」としていましたが、正しくは「セレテ」でした。こちらも、誤った情報をお伝えし、申し訳ございません。また、「子音を発音しない理由」についての説明が不十分で日本語として違和感を感じる内容でしたので、それについて修正いたしました。
      さらに、”très orange”, “très occupé”, “très inquiet”, “faire très attention” などのフレーズについても、お客様の指摘の通り、リエゾンが可能です。しかし、標準的な発音では”très” の末尾の ‘s’ は発音されず、これらのフレーズはそれぞれ以下のように発音されます:

      très orange [tʁɛ ɔʁɑ̃ʒ]
      très occupé [tʁɛ ɔkype]
      très inquiet [tʁɛ ɛ̃kje]
      faire très attention [fɛʁ tʁɛ atɑ̃sjɔ̃]

      ただし、フランス語の発音には地域差や話者の個人差があるため、一部の話者はこれらの場合でもリエゾンを行うことがあります。

      あなたの指摘に感謝します。私たちの情報が不完全で誤解を招く可能性があったことをお詫び申し上げます。

      これからも、より正確な情報をお伝えできるよう努力いたします。

      何か他にご不明点、ご質問がございましたら、どうぞ遠慮なくお知らせください。
      よろしくお願い申し上げます。

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